9割はアセット・アロケーションで決まる
さて、ここからが重要です。
米国での研究*によれば、将来の運用成果の9割は、アセット・アロケーションで決定づけられるという結果が出ているんです。どういうことかというと、例えば「国内株式Aファンドと国内株式Bファンド、どちらに投資をするのか」といった「銘柄選び」や、ある銘柄を「いつ買って、いつ売るのか」といった「売買のタイミング」よりも、「ポートフォリオ全体の何%を国内株式に配分するのか」といったアセット・アロケーションの方が、よっぽど重要だということです。
同じカテゴリー(アセット・クラス)のファンドで、コスト負担が同程度であれば、中長期の運用成績はそれほど大きくは変わりません。指数との連動を目指すインデックス型のファンドでは、運用成績にほとんど差は出ないはずなんです。
だからこそ、ファンド選びよりもアセット・アロケーションの方が重要になってくるのです。具体的に言えば、ポートフォリオ全体の20%を国内株式にするのか、30%を国内株式にするのか、その資産配分の割合をどうするかが、将来の運用成果の大半を決めてしまうということです。
* Brinson, Gary P., Hood, L. Randolph., and Beebower, Gilbert L. (1986). Determinants of Portfolio Performance.
Financial Analysts Journal, 42 (4), 39-44.
Ibbotson, Roger G., and Kaplan, Paul D. (2000). Does Asset Allocation Policy Explain 40, 90, or 100 Percent of Performance? Financial Analysts Journal, 56 (1), 26-33.