ポートフォリオとは「商品の一覧」
では、自分に合った戦略は、どのように決めればいいのでしょう。
簡単な考え方としては、「自分の全財産のうち、どのくらいの割合で株式を持つか」だと思います。
先ほどもグラフで見た通り、国内株式や外国株式は「○○ショック」などと呼ばれる金融ショックが起きると暴落して、1年間で40〜50%下がることもあります。そのことを十分に認識して、値動きが大きくなりがちな株式への投資割合を決めるといいでしょう。
初級者コースの皆さんは、「ポートフォリオ」という言葉と「アセット・アロケーション」という言葉の意味を知っておきましょう。資産運用の世界ではよく使われる言葉なので、早めに理解しておくといいと思います。本稿では初めて出てきたカタカナ言葉ですが、分かりやすいように例えで説明します。
簡単にいうと「ポートフォリオ」とは、もともとは「書類かばん」のような意味合いの言葉で、さまざまな書類が入ったかばんのように、さまざまな資産や商品を組み合わせて保有している状態、その全体のことを指します。こちらは聞いたことがある人も多いかもしれません。
例えば、スーパーで買い物をした時の買い物かごを想像してみてください。牛肉やほうれんそうなど、さまざまな食材が入っていますよね。ポートフォリオとは【図表4の右側の図】のように、買い物かごに入っている商品の一覧のようなものです。
アセット・アロケーションは「カテゴリーごとの配分割合」
一方の「アセット・アロケーション」とは、日本語にすると「資産配分」です。
これはあまりなじみのない言葉だと思いますが、【図表4の左側の図】のように、買い物かごの中に入っている商品の「カテゴリー分類ごとの配分割合」を意味します。肉類が牛肉・鶏肉合わせて全体の30%で、野菜はきゅうりとほうれんそうで全体の20%、といった感じです。
言い換えればポートフォリオは商品の一覧で、どんな商品を組み合わせて持っているのかが分かるもの。アセット・アロケーションは商品性の似ているものをカテゴリー分類して、カテゴリーごとの配分割合を見るものです。
金融商品で考えると、【図表5の右側の図】のような商品一覧がポートフォリオ、【図表5の左側の図】のようなカテゴリーごとの配分割合がアセット・アロケーションです。
ちなみに、商品性の似ているカテゴリー(国内債券、国内株式、外国債券、外国株式など)のことを「アセット・クラス」とか「資産クラス」と呼びます。