歌舞伎町にない機能を補完している

だから集客力のある賑やかさを持ちながら、椅子は堅くて座りづらくなければならないのです。客の滞在時間はできるだけ短く、インスタ映えする体験を記録したらすぐに新しい客に席を譲ってくれたほうがいいのです。

さて、話をまとめてみるとこのタワー、最初の直感とは真逆で、実は緻密ちみつに考え抜かれた戦略を具現化した建物だと言えそうです。ここは立ち寄る理由がある場所であっても完結する場所ではないと割り切ったことで、東急歌舞伎町タワーは歌舞伎町を補完する機能に存在価値を振り切ることができました。「ないものがここにあるタワー」が完成したわけです。

この先、東急歌舞伎町タワーがどう発展していくのか、そして歌舞伎町がどう変わっていくのかは未知数ではありますが、戦略コンサルタントの視点で眺めれば、面白い戦略の実例がまたひとつ登場したと、楽しみな存在に見えてきたのです。

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