IR整備法で義務づけられたカジノへの入場管理
このIRについて、大阪では賛否が拮抗している。反対している皆さんが懸念しているのが、カジノ絡みの問題である。たとえば「カジノができればギャンブル依存症の人が増える」「カジノができれば治安が悪化する」といった懸念を抱いている人は多い。
しかし、IR反対派のプロパガンダの影響を受け、誤解や情報不足からそのような懸念を抱いている人が少なくないのも事実である。大阪府・大阪市は丁寧な説明を続けて、誤解や情報不足に起因する懸念を解消していく必要がある。
カジノ設置に伴う「ギャンブル依存症」「治安悪化」という懸念については、国と大阪府市がそれぞれ厳格な対策を幾重にも講じている。
たとえば日本では、パチンコがギャンブル依存症を生み出してきた歴史がある。それにもかかわらずパチンコ店には、18歳以上であれば入場規制がない。入口で身分証明書を提示したり入場料を払う必要もなく、入店の回数に制限もない。しかし国の定めた「IR整備法」では、依存症防止のためにカジノへの厳格な入場管理が義務づけられている。
日本人と在日外国人(つまり外国からの観光客以外)がカジノに入場するには、マイナンバーカード等による本人確認と入場回数の把握が実施され、連続する7日間での入場回数は3回まで、連続する28日間での入場回数は10回までに制限されている。しかも1回につき入場料6000円を支払わなければならない。
世界ではカジノによる急激な犯罪増加は見られない
さらに、本人・家族等の申し出による利用制限措置も規定されており、家族から申し出があれば、ギャンブル依存症者が施設を利用できなくすることもできる。
このようにIRのカジノには、これまで公営競技(公営ギャンブル)で講じられてきた依存症対策に比べて、よりリスクをヘッジする厳格な規制がかけられていると我々は考えている。
また、「カジノができると治安が悪化する」という懸念に対しても、国と府市双方がさまざまな対策を講じている。たとえば「IR整備法」は反社会的勢力のカジノ事業参入を規制するとともに、施設への入場や滞在、カジノ行為を禁止するなど、反社会的勢力対策を講じている。
一方、大阪府はIR誘致を予定している夢洲への警察署設置や警察職員の増員などで警察力の強化を図ったうえで、IR事業者と協力して治安・地域風俗環境対策に取り組むことになる。
世界的には、カジノができたからといって急激な犯罪増加などは見られない。
メディアは反対派の懸念を伝えるだけではなく、こうした事実もちゃんと伝えてもらいたい。