大阪府の人口は、22年間で約12%減少すると推計される

2025年の大阪万博を成長の起爆剤とするなら、大阪・関西の持続的な経済成長のエンジンとなるのが、統合型リゾート(IR)である。

日本の人口減少が進むなか、大阪府の人口は、2018年度から2040年度の22年間で約12%減少すると見られている。大阪府における65歳以上の高齢者が占める割合は2015年度時点で26.2%だったが、2040年度には34.5%となる見込みである。このような人口減少と高齢化の進展は需要と労働力の減少をもたらすと懸念される。

そのような状況下、できない理由を並べ立てて、大阪の府内総生産(GDPの大阪府版)を引き上げる努力を放棄すれば、これまで積み上げてきた遺産を食いつぶしながら、大阪は衰退していくしかないだろう。持続可能な大阪をつくるには、持続的な経済成長を実現しなければならない。

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IRでインバウンド増加を経済成長につなげる

それには、今後市場拡大など将来性が見込まれる成長産業に注力する必要がある。その将来有望でしかも経済効果が大きい産業が観光である。そして観光分野を基幹産業としていくための重要な手段がIRなのである。

IRとは、国際会議場や展示場などのMICE施設、ホテル、レストラン、ショッピングモール、エンターテイメント施設、カジノなどで構成される複合施設で、民間事業者が一体的に設置し、運営することになる。

ちなみにMICEとは、会議(Meeting)、報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字をとった言葉で、ビジネスイベントの総称である。MICEを目的とした利用者は団体客が多く、その消費額・宿泊数は一般観光客よりも多いため、世界各国でMICE誘致に力を入れている。

そうした世界水準のMICE施設の整備や滞在型観光の促進を一体的に行ない、インバウンドの増加を確実に経済成長に取り込んでいくための複合施設がIRである。