2つ目は水温やエサの調整で、魚の品質と生育期間をコントロールできること。閉鎖された環境なので海上養殖よりも品質のコントロールが容易です。生育期間短縮はコスト削減につながります。さらに、出荷時期を魚価の相場が高いときに合わせることも可能です。

3つ目はどこでも養殖ビジネスができること。養殖のために海を使用するには地元の漁業協同組合の許可が必要ですが、許可を取るのは簡単ではありません。陸上養殖ならば許可を得る必要はなく、自由に始められます。また海の近くである必要もありません。企業が内陸部にある遊休地を活用して、養殖ビジネスに参入することも可能です。

人口減少・高齢化でもビジネスチャンスはある

日本の人口減少と高齢化が止まりません。2023年1月1日現在で、国内人口は1億2477万人ですが、2053年には9924万人となります。なんと1億人を割ってしまうのです。高齢化率を表す65歳以上の割合は、2023年1月1日で29%ですが、2053年には38%まで上昇します(総務省統計局、国立社会保障・人口問題研究所)。

人口減少と高齢化が進めば、様々な問題が生じますが、その問題に対応する中にビジネスチャンスがあります。

日本国内の人口が減少すると、国内でモノやサービスが売れなくなってしまいます。人口が減るということは、お客さんが減るということです。そして、高齢者はお金を持っていても、あまり買い物をしません。これから日本企業が成長していくためには、モノやサービスを海外に売るしかないのです。

販売相手国として、すぐに思い浮かぶのは米国と中国でしょう。もちろんこの2国は重要な相手国ですが、私はアフリカに着目しています。