「いい会社」と「ダメな会社」を見分けるにはどうすればいいのか。東洋経済新報社・編集委員の田宮寛之さんは「会社のパンフレットやホームページを見ても分からない。『就職四季報』に掲載された離職率や平均勤続年数、実際に消化された有給取得日数などの7つのデータを見ればいい」という――。

※本稿は、田宮寛之『ビジネスエリートが実践している教養としての企業分析』(自由国民社)の一部を再編集したものです。

夜のオフィスで働く疲れた女性
写真=iStock.com/Jay Yuno
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いい会社、ダメな会社を見分ける『就職四季報』の7項目

就職四季報』は『会社四季報』と同じ記者とデータ担当者が制作し、毎年11月に発行されています。記者が一社一社を独自に取材し、会社パンフレットやホームページに掲載されている宣伝のような情報ではなく、データに裏付けされた中立的・客観的な情報を掲載しています。

「3年後離職率」「残業時間数」「有給取得日数」など、他の就職情報誌では見ることができない情報が満載です。会社から掲載料はまったくもらっていません。

『就職四季報』には、「総合版」「女子版」「優良・中堅企業版」「企業研究・インターンシップ版」の4種類があります。他の出版社から類書は発行されていません。本稿は就職四季報の見方について具体的に解説していきます。

離職率5%超の会社は選ばないほうがいい

『就職四季報 総合版』では社員の離職率が分かります。離職率が高い企業は就職に適さないのはもちろん、取引相手としても適さないでしょう。社員がすぐに辞めてしまうということは何か問題があるはずです。問題のある企業に勤務する社員は安心して業務に集中できません。

そのような企業は何かトラブルを起こす可能性が高いですし、こちらが期待するような成果を上げることは難しいでしょう。

離職率は【離職率と離職者数】(図表1の①)という項目でチェックできます。離職率とは、会社全体でどれくらいの社員が1年間で離職しているのかを示す指標です。離職率は(前年度1年間の離職者数)÷(前年度期首の社員数)×100で算出されます。定年退職やグループ企業への転籍は離職者数に含めていません。

離職者数は自己都合で離職した人数ですが、リストラで退職した人の数も含みます。

早期退職募集をしたときは一時的に離職率が高くなります。単年だけ見て、その会社の離職傾向を判断することはできません。ですから、過去3年程度のバックナンバーを見ることをお勧めします。リストラなどの特殊要因がない場合は、5%を超えると高い水準と言えます。リストラをした結果としても、10%を超えればかなり大きなリストラを断行したことになります。