女性が長く働きやすい会社はいい会社『就職四季報 女子版』の活用法

ここからは『就職四季報 女子版』について解説していきます。『就職四季報 女子版』に掲載されている「勤続」(図表3の①)、「3年後離職率」(図表3の②)、「女性の既婚率と既婚者数」(図表3の③)は女子社員のみを対象にした数字です。男女合わせた全体では数字がよくても、女子社員だけで見ると数字が悪いのでは、女子にとって意味がありません。

「勤続」(図表3の①)は女子正社員の平均勤続年数を表します。基本的に、居心地のよい企業ならば社員は辞めません。単純に言えば、この勤続年数が長い企業は女子が就職するのに適した企業と言えるでしょう。

「3年後離職率」(図表3の②)は入社した女子正社員のうち何%が3年以内に離職したのかを示しています。『就職四季報 総合版』にも「3年後離職率」が掲載されていますが、総合版は男女合わせた数字です。

新卒社員が短期間のうちに大量に辞める会社は、何らかの問題を抱えていると見た方がいいでしょう。就活生や新卒社員以外のビジネスパーソンもこの数値は把握しておくべきです。

「女性の既婚率と既婚者数」は要チェック

さらに注目のデータは「女性の既婚率と既婚者数」(図表3の③)です。これは結婚後も働いている女子社員がどれだけいるのかを表します。一般的に既婚率が高い企業は、女性にとって働きやすい企業と言えます。

既婚率が低いということは、「結婚する相手を探す時間もないほど忙しい」、または「仕事と家庭生活を両立することが難しい」という状況が想像できます。

ただ、既婚率は高いのに、勤続年数が短い場合もあるので注意してください。

こうした場合は、「結婚してからも働き続けるが、子どもができると退職することが多い」ということが想像できます。つまり、「仕事が忙しすぎて育児の余裕がない、または、会社の子育て支援が不十分」という可能性があるのです。

政府公認の「子育て支援企業」かどうか

子育てしやすい会社かどうかは、社名の横に〈くるみんマーク〉(図表3の④)があるか否かで判断することができます。

企業が従業員の子育て支援のための行動計画を策定し、目標を達成すると厚生労働大臣から「次世代育成支援対策に取り組んでいる企業」との認定を受けることができます。この認定を受けていることを示すのが〈くるみんマーク〉です。〈くるみんマーク〉を付けている企業は政府公認の「子育てサポート企業」なのです。