「叱る」ときに気をつけること

「叱る」ときに気をつけることは、とってもシンプルです。

「大声を出さず」「具体的に」「改善策まで」です。

まず、「叱る」と「大声を出す」はイコールではありません。「大声を出す」は、叱るほうも興奮してしまい、感情まかせの言葉を発してしまうことも多いです。また、大きな声で叱られた子は、萎縮してしまい、そのあとの言葉が入らないかもしれません。

つぎに「なにが悪かったのか」を「具体的に」伝えることが大切です。「なにやってんの! ダメでしょ!」「コラ! いいかげんにしなさい!」では子ども自身が「なにが悪かったのか」を理解しないまま、またつぎもおなじ行動をしてしまう可能性があります。

そして「改善策まで」いっしょに考えることができれば、おなじミスをしてしまう確率を下げることができます。

危険な行動をしている子に注意を促す

たとえば、校外学習に出かけたとき、傘の先端を後ろに突き出すように持っている子がいたとします。

よくないのは「おい! なにやってんだ! その持ち方は危ないだろ!」といきなり大きな声で抽象的な注意をすることです。

写真=iStock.com/Mukhina1
※写真はイメージです

子どもは無意識のうちに、もしくは悪気なくこの持ち方をしていたかもしれません。

それなのに不意打ちでいきなり大きな声を出されてしまうと、それだけで頭がいっぱいになり、このあとの校外学習がたのしめないかもしれません。パニックになる可能性だってあります。

これを、

「○○さん、一度止まって。この持ち方だと、うしろの人に傘の先が当たってしまうよね。どう持つのがいいと思う?」

と落ち着いたトーンでたずねることができれば、注意された子も、

「そうか、この持ち方は危ないからよくないな。先をいつも下に向けるように持たないといけないな」

と冷静に、「なにが悪かったか」「つぎ、どうすればいいか」まで考えてくれます。

落ち着いて、まちがった行動を具体的に理解し、行動を改善することができれば、次回から注意されずとも正しい行動に修正できる可能性が上がります。