相手との関係性や反応を読めない

事実を言っているのになぜ問題になるのか、理由が理解できていないASDの患者さんに、私はよくこんな話をします。

「正直で率直なことは、悪いことではありません。でも世の中は、ときに真実を言わないことで、相手が不快な気持ちになるのを防いでいます。たとえば、人が新しい服を着てきたとき、いきなり『似合わないね』と言ったらどう? 仮にそれが事実だとしても、言われたほうはうれしくはないですよね。言っても良いかどうか判断がつかないときは、発言を控えるというのもひとつの手だと思うよ」

もし、あなたの周りに同じような特性を持つ人がいたら、一度真正面から論理的に、そして心を込めて話してみてはいかがでしょうか。特性の程度にもよりますが、理解してくれることもあるはずです。

<ポイント>
・人間関係や人の感情より、事実を優先しがち
・相手を不快にする意思はない
 ➡論理的に、心を込めて話し、理解を促そう

コントロールさえできれば長所になる

岩瀬利郎『発達障害の人が見ている世界』(アスコム)

<自分カモ!? と思ったあなたへ 生き方のヒント>
何でも正直に発言すると、ときに人を傷つけてしまうことがあります。

でも、人の顔色を気にせず、思った通りの発言がいつでもできるというのは、周囲に流されずにはっきり意見を言えるというあなたの長所でもあります。

何か発言しようと思ったら、ひと呼吸おいて相手の気持ちを想像してみましょう。それさえできるなら、いつも正直でいることは、決して悪いことではありません。

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