ネットコースだからこそ対面授業の日が待ち遠しい

高校当時の1日のタイムスケジュールは、このような感じです。

午前8時、起床。朝食。
午前9時、ネットでN高の授業を視聴。
午前10時〜午後6時、日本棋院での研究会。その後夕食を食べるなどする。
午後8時、自由時間。気が向いたらN高の授業を視聴。
午後10時半、就寝。

N高のネットコースは、私に合っていました。自分で自由に勉強時間を決められるからです。授業はネットで視聴します。私は毎日ちょっとずつ授業を受けていましたが、例えば月曜日に集中して授業を受け、ほかの日はまったく視聴しないという人もいます。

囲碁棋士四段の上野愛咲美さん(撮影=小松士郎)

苦手な数学の授業になかなか手が伸びず、ときには未視聴の授業をためてしまうこともありました。そうなっても、どこかのタイミングで時間をつくり、まとめて視聴していました。また対局で負けた日は授業を受けることが気分転換にもなっていました。

囲碁棋士にはN高生が多く、同じ門下で同級生の関くん(関航太郎天元)や広瀬くん(広瀬優一七段)もN高ネットコースです。授業の進み具合を確認したり、わからないところを教え合ったりしていました。二人とは囲碁部でチームを組み、強豪校の灘高等学校囲碁部との「NN戦」に挑んで、その対局はネットで生中継されました。

人間関係も広がりました。「スクーリング」の日にはキャンパスへ登校し、対面で授業を受けるのです。初めて登校した日は知らない人ばかりでしたが、すぐに同年代の友達ができました。友達と予定を合わせて登校し、授業を終えてからみんなでパンケーキを食べに行ったことも。

先生のリアルな授業もおもしろくて、2進法の授業で、先生が謎解きのかたちで進めてくれたことは印象に残っています。スクーリングは年に5日しかないのが残念でしたが、そのおかげで高校生らしい時間を過ごせました。