「話をしっかり聴いてくれる親」が会話能力を伸ばす
男の子は、言葉を司る左脳が女の子よりゆっくり発達します。多少言葉が遅くても、焦らずゆっくり見守ってあげましょう。
けれども成長を待つ以外にも、親にできることはいくつもあります。
それは、「親は自分の話をていねいに、いつも聴いてくれるんだ」とお子さんが思えるコミュニケーションを、お子さんとの間でおこなっていくことです。
コミュニケーション能力が育っていくためには、集団の中に入り、ときには傷つくことはあっても人と一緒に仕事をしていける。問題が起きても好きな女性と何とか乗り越えていける。そんなふうに人と関わることを面倒がらずに続けていく必要があります。
親御さんにできるのはそのための土台づくり。
「コミュニケーションは楽しい」
「人と話をすることって楽しい」
そんな感情の土台を、お子さんの心の中にしっかりとはぐくんでいってあげましょう。
でも実際は、コミュニケーションの土台をつくるどころか、コミュニケーションぎらいな子に育てていくような会話のほうがひんぱんになされているのではないでしょうか。
男の子のわかりにくい話を責め立てていないか
お母さんと男の子の間のよくある会話をみてみましょう。
「今日、学校どうだった?」
「んー」
「どうだったのよ?」
「……おもしろかった」
「何が?」
「何がって……忘れた」
「忘れた!? そんなことあるわけないでしょ!」
「だって……」
「もうっ、いつもはっきりしないんだから。もっとはっきり言いなさい!!」
どうですか? このような会話、男の子をもつお母さんなら、何度も経験があるのではないでしょうか。
男の子の話は、とにかくわかりにくい。だからといって、このような会話で責め立ててしまうと、子どもは話す気力を失ってしまいます。お母さんの何気ない口ぐせが、男の子を「会話恐怖症」にしていることがあるのです。
次のようなことを、息子さんにしてしまっていませんか?
・「それで?」「だから?」と質問攻めにする
・はっきりしない説明にたまりかねて、「それって、こういうことなんでしょ」と先に結論を言ってしまう
・「はっきり言いなさいよ」「それで、何が言いたいの?」と追いつめる
「幼稚園や学校での様子が知りたい」「息子と楽しくおしゃべりしたい」と思うお母さんの気持ちはわかります。
でも、もともと話すのが苦手なのに、追い討ちをかけるように質問攻めにするのは、ニンジンが食べられない子の口に、無理やりニンジンを押し込むようなもの。
お子さんはお子さんなりに一生懸命話そうとしているのに、文句を言われてしまっては、話す気力も失せてしまいます。お子さんを追いつめる言葉が口ぐせになっていないか、振り返ってみてください。