2022年4月に学習指導要領が改訂され、高校で金融教育が義務化された。家庭ではどのようにお金について教えればいいか。ファイナンシャルプランナー・櫻井かすみさんの著書『母が子に伝えたい 大切なお金と社会の話』(Gakken)より、一部を紹介する――。
家族と一緒にご飯を食べる少女の手元
写真=iStock.com/Jacob Wackerhausen
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お金の使い方を教えるのは「親の役目」

お金のことは誰が教えるべき? アクサ生命が高校生の子どもを持つ30〜69歳の男女計1000名に尋ねた調査結果によると、【お金の使い方】においては、97.1%が親の役目だと回答していることがわかりました(※出典:アクサ生命保険株式会社「金融経済教育とライフマネジメント®に関する調査 2023」)

家庭でお金について話す時間を作ることは、子どもの金銭感覚や価値観を育てるために非常に大切です。しかし、小、中、高校生……と、学年が上がるにつれて、学校や習い事や友だちとの交友関係や部活が優先となり、家族とのコミュニケーションが疎かになりがちです。

ただ、家庭でお金の話をすることは、子どもの価値観や判断力や将来の自立にも大きな影響を与えます。親も子も忙しい中、日常の中で無理なくシチュエーションごとに家庭で「お金の話をする時間」を捻出する具体的な方法をご紹介していきます。

車で100km走るにはいくら必要?

①買い物の場面を利用

スーパーやコンビニで、商品を選ぶ時にお金の使い方を話す。

〈例〉
▪ 「このジュースは150円、こっちは牛乳だけど100円。どっちにする?」
▪ 「セールで買うとどのくらい安くなるかな?」

②移動時間を使う

車や電車での移動中に、お出かけ中に発生した簡単なお金の話題を持ち出します。スーパーの帰りに、買ったものの話をするのもいいでしょう。

〈例〉
▪ 「電車賃は一人500円だから、家族全員でいくらかかるかな?」
▪ ガソリンスタンドで「車を100km動かすにはこれくらいのガソリン代が必要だよ」