販売現場に直接売却できたことで売値がアップ

一番高い値段をつけてくれた3社目の会社についてお話しします。最初に営業所の上司に連絡して数字を出してもらった様子でしたが、営業マン本人が気に入る数字ではなかったようなのです。それで彼はグループ会社の販売専門店の店長に電話をかけました。知り合いだそうです。

そしてちょうどその店長はこの車が欲しかったそうです。これがおそらく最高値になった理由で、最終提示額は321万円。オークションではなく直で販売現場に売却できたことで提示価格は高くなり、ディーラーの下取り価格を100万円超えました。親族も大満足です。

写真=iStock.com/BartCo
※写真はイメージです

体験記はここまでですが、わかったことをまとめましょう。やはり昨年起きた「新車よりも中古車のほうが価格が高い」というのは一時的な現象だったようです。業界全体で半導体の調達努力をした結果、状況としてはだんだん正常化に向かっています。

新車よりも「いい中古車」を求める客は多い

一方でいい中古車を買いたいという顧客の数は以前よりも増えている様子です。背景理由としては車の価格がこの20年間で着実に値上がりしてきていることがひとつ、そして車の大型化が進んできたことがもうひとつの理由です。この2つの要素が掛け合わさると以前の手持ち予算では欲しい車は新車では購入できないので、一定数の消費者は「いい中古車」へと向かうようになってきたわけです。

今、一時的に中古車の販売現場で価格が下落傾向になっているとはいえ、このような事情から今でも良い車は高く買ってくれますし、未来予測すると中長期的に見れば中古車価格は高値で安定しそうです。

そうなると私の親族のように2年ぐらいしか乗っていないきれいな状態の車を、複数社の査定にかけて高値で売却するというのは経済的には合理的な行動だったと思います。何しろ結果を見ると460万円もする高級車を2年間140万円だけで乗ることができたことになるからです。皆さんもクルマを手放すときには、さまざまな選択肢をご検討ください。

関連記事
「ゴミがついて汚いから」ではない…トヨタの生産現場で床に落ちた部品を絶対に使わない本当の理由
東京随一の"セレブ通り"を走る富裕層が「テスラやレクサス」を選ばないワケ
「2035年までにガソリン車ゼロ」は到底達成できそうにない…欧州が直面している完全EVシフトの行き詰り
これだけは絶対にやってはいけない…稲盛和夫氏が断言した「成功しない人」に共通するたった1つのこと
「10個のリンゴを3人で公平に分けるには?」有名な思考クイズをひろゆきが解いたら…答えが斬新すぎた