年をとってもみんなより早く歩けるのは、若いころから歩くことが好きだったからでしょう。

糖尿病の先生から、「歩くのはいいですね」と言われましたが、別に健康のために歩いているつもりはありません。歩いたほうが気持ちいいから歩いているだけです。そのおかげで、歩行能力に関してはまだそれほど衰えていないのでしょう。

40歳を過ぎたら余生

今も鎌倉の自宅から鎌倉駅に向かうときは片道15分の距離を歩きますし、中学高校のときは片道45分の距離を歩いて、途中で虫を捕っていました。

養老孟司、中川恵一『養老先生、再び病院へ行く』(エクスナレッジ)

当時は国道の脇に虫がいっぱいいましたから、長い距離も楽しみながら歩くことができたのです。

基本的に、身体的能力は35歳くらいまではなんとか維持できますが、そこから先は右肩下がりだといわれています。だから人間の寿命は35歳でよいという説もあるくらいです。

女性が昔のように16〜17歳くらいで子どもを産んだとすると、35歳なら孫ができておばあさんになっているわけです。

縄文時代は平均寿命が31歳ぐらいで、40代まで生きた人は歯がすり減ってなくなっています。そのくらいが元々の年齢ではないかと思います。

今はその倍以上も生きていますから。40歳を過ぎたら余生なのかもしれません。

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