駅の案内係も生身の人間からAIに取って代わられる
チャットボットとは、文章での会話を自動的に行なうプログラムのことです。最近ですと、米国OpenAI社のChatGPTの精度が高いと全世界で話題になっていますね。例えば、商品の値段を知りたい利用者が質問を入力すると、チャットボットは商品の値段を自動的に返答するようにプログラムされています。
チャットボットを導入することで、人間のスタッフは別の仕事に集中できるようになります。チャットボットはすでに鉄道業界でも使われています。一部の駅では、駅員の代わりにチャットボットが利用客からの質問に答えているのです。切符の買い方や乗換駅がわからない利用客に対し、チャットボットが助けています。
チャットボットを導入することで駅員の負担が減りますし、ほかにもいいことがあります。それはさまざまな外国語の質問にも対応できるという点です。観光などで色々な国の人が日本を訪れますが、そうした人が困ったときもチャットボットがサポートします。
また、チャットボットを開発したオムロンソーシアルソリューションズ株式会社は、駅構内の見回りや清掃を行なうロボットも開発しています。プログラムやロボットなどの高度なテクノロジーを使って利用客にサービスするのが、未来の駅の姿なのかもしれません。
今後は生身の駅係員よりチャットボットの方が、正確で効率的な案内ができる時代になっていくはずです。自動改札機の導入で駅員の削減が行なわれたように、チャットボットの導入でも人員削減が進むでしょう。
イーロン・マスクが取り組む未来の列車
アメリカの実業家でエンジニアのイーロン・マスク氏が、2013年に「真空ハイパーループ」という交通システムの構想を発表しました。
マスク氏は電気自動車メーカーのテスラの共同創設者で、世界的に有名な大富豪です。
宇宙への輸送のためのロケットを製造開発するスペースXという会社を起業するなど、新しいことにチャレンジし続けているマスク氏が開発を進めているのが真空ハイパーループなのです。
真空ハイパーループとは簡単に言えば、チューブの中をカプセル状の車両が移動するというものです。
チューブはサンフランシスコとロサンゼルスの間を結びます。カプセルは空気圧を利用して移動しますが、そのスピードはなんと最高時速1287km。サンフランシスコとロサンゼルスの間は約600kmで、これは日本で言えば東京から姫路ぐらいまでの距離です。その距離をおよそ30分で移動できるのです。
マスク氏以外の会社でも、真空ハイパーループの技術に取り組んでいる会社は多いので、SF映画のような真空ハイパーループの光景が本当に見られるようになるのかもしれません。ただし、車両が管の中を走る関係で景色は期待できないので、今のように移動を楽しむ旅行は減ってしまいそうです。