自動運転技術は毎日の通勤を趣味の時間に変える
1番の革新的な進化として、やはり注目すべきは「自動運転技術」ではないでしょうか。今後、自動運転技術が進歩すると、鉄道もバスもクルマも人間が運転する必要はなくなります。飛行機もパイロットが必要なくなるかもしれません。
例えば自動運転のクルマに乗った場合、自分は運転する必要がないので当然ながら時間が余ります。その間、ゲームをしたり映画を観たりして移動時間を有意義なものにするエンターテインメントも発達するでしょう。
私は乗り物自体の魅力を体験することや、移り変わる景色を眺めることも含めて乗り物の魅力だと思っていますから、わざわざ移動中にもそれらをする必要性をあまり感じません。もちろん、通勤や通学で自動運転のクルマに乗るのなら、景色は代わり映えのない見慣れたものでしょうし、それであれば趣味や勉強の時間に割いたほうが有意義ということもありますが……。
ただ一つ言えることは、自動運転技術すなわち「AI化の波」は間もなく私たちのもとに訪れるということ。乗り物の魅力を伝える交通系YouTuberの私としては、どんなに便利な乗り物であっても、人間の感受性を大切にしたいと思っています。
スマホをポケットに入れたまま改札を通れるようになる
電車などの鉄道は運転士が運転しますが、一部の路線ではすでに自動運転の技術が取り入れられています。東京のゆりかもめ、神戸のポートアイランド線などが、無人で運行されているのです。
そのほかにも、さまざまな最先端技術を取り入れる形で自動運転の研究が進められています。その最先端技術の一つが「5G」です。
5Gの正式名称は「第5世代移動通信システム」で、スマートフォンなどで使われている新しい通信技術です。今よりももっとたくさんのデータをもっと速く届けられるようになります。
鉄道業界での5Gの導入には色々な可能性があります。列車内での通信が便利になるのはもちろん、スマートフォンが切符代わりになり、カバンやポケットの中に入れたまま改札を通れるようになるでしょう。
さらに、5Gになることで自動運転も可能になると考えられています。5Gの高速通信とAI(人工知能)やIoT(Internet of Thingsの略で建物や乗り物、家電などをインターネットに接続すること)を組み合わせることで、運転士が乗っていなくてもその列車をコントロールできるのです。運行本数が多い複雑な首都圏の列車の自動運転も、5Gによって未来では当たり前になっているでしょう。
2018年からは東京の山手線で、ATO(自動列車運転装置)の開発のための実験も少しずつ進められています。
今よりも安全な輸送を実現するには、人間よりもミスをしない、機械に自動で運転してもらうのが最適な方法でしょう。一方、運転士になりたいという方は夢を諦めて、別の道を考えるのが良いかもしれません。