保険料の負担と給付の権利は表裏一体
「パート収入の壁」として社会保険料の負担を忌避する傾向にありますが、社会保険料は一方的に支払うだけのものでなく、給付を受ける権利を手にできます。しかも保険料の半分は勤務先が負担してくれます。
〈103万、106万、130万、150万、201万…共働き夫婦に立ちふさがる「5つの年収の壁」を解説する〉(2023/02/24)
これまでパート収入の壁は、企業にとって低コストの労働力を調達する手段として機能した側面があります。しかし、就業者数が右肩下がりとなる日本において、今後労働力は希少となり、賃金が上がっていくことが予想されます。
「パート収入の壁」を「教育費・老後資金準備の障壁」にしないためにも、時代の波に乗って壁を乗り越えることが、ライフプランニングの有効な選択肢となります。
貯金のゴールデンタイムを逃してはいけない
既に述べたように、母親が働いていれば「保育が必要」と認定され、保育園、認定こども園、地域型保育の0~2歳児クラスが利用でき、第2子であれば保育料が半額、第3子は保育料が無料です。3歳児からは保育料が全額無料になります。
「保育が必要」ではない専業主婦世帯では、無料になるのは3歳児以降で、施設によっては月額上限がありますから、政策の方向性が共働き世帯に手厚くなっているのは明らかです。
繰り返しになりますが、子どものいる家庭にとっての貯めどきは「子どもが10歳になるまで」です。このゴールデンタイムに制度の恩恵をフルに活かして、キャリアも収入も途絶えさせることなく、通常飛行に戻していきましょう。ゴールデンタイムは貯蓄に限りません。キャリア形成、稼ぐ力の基盤を作るゴールデンタイムでもあることを意識して乗り切ってください。