「世界一の農業競争力」に学ぶことは多い
オランダは農業の高付加価値化を徹底して強化し、輸出競争力を高めた。付加価値ベースでみたオランダの農業競争力は世界トップといっても過言ではないだろう。ユーロ圏の単一市場によってドイツやフランスなどへの供給体制は強化された。加えて、デジタル技術、市場原理(競争原理)の導入などによって、農家は花卉など自国の気候風土に適した作物への選択と集中を進め、高付加価値路線を徹底した。
オランダの取り組みを、そのままわが国に導入できるほど事は単純ではないだろう。むしろ重要なポイントは、わが国の農業関係者が取り組んできたより安全、より美味な産品を生み出す取り組みを強化することだ。
それに加え、マーケティングのプロの登用などによってブランド化戦略を推進し、国際市場にその魅力を発信する。それは、より多くのわが国農産品の高付加価値化を支えるだろう。長期的にみて、そうした取り組みを進めることは地方創生の推進を支え、関係する産業での所得向上にも資すはずだ。