睡眠の不調は肥満やうつの原因にも

睡眠の不調は、体の健康にも大きく影響を与えます。たとえば、睡眠時間が短くなると、食欲を抑えるレプチンが減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリンが亢進こうしんするため、食欲が増大することがわかっています。

柴田重信『脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい』(講談社+α新書)

そのため、肥満や高血圧、メタボのリスクも高くなり、2型糖尿病や心筋梗塞、狭心症といった生活習慣病にかかりやすいことも明らかになっています。

メンタルヘルスへの影響も大きく、うつ病や抑うつ状態になる人も増えています。

このように、睡眠の不調が長く続けばそれだけ健康にも大きく影響し、早期死亡のリスクを高めてしまうのです。

近年は、働く人の健康を守る「健康経営」の視点から、プレゼンティズムの状況を見直そうという動きが出ています。

プレゼンティズムとは、何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、何らかの体調不良があるまま働いている状態をいいますが、睡眠の不調や体内時計の乱れから派生する生活習慣病、うつなどは、働く人の能力が十分に発揮されないため、重大なプレゼンティズムとして注目されています。

不調を抱えながら働き続けることによる経営面での損失は、病欠や病気休業による損失や医療コストより大きくなると言われています。

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