学校の友達と共通の趣味がなくても「別にいい」

Z世代はというと、学校で日々一緒にいる友達は必ずしも共通の趣味があるわけではありません。例えば、こんな具合です。

【生の声】5人グループで仲が良いけど、K-POPが好きだったり、バンドが好きだったり、ジャニーズが好きだったり、趣味はバラバラ。なので、趣味の話よりも、SNSで気になるカフェの話とか、「最近よく見る動画配信者誰?」みたいな話で盛り上がることが多い。

このように、自分の好きなことよりも、共通項になるSNSトレンドが話題の中心にあるのです。

彼らは学校の友達と、好きなモノ・コトが一緒であることを、それほど重視していないのです。

たとえ学校などリアルのコミュニティに居場所が見つけられなかったとしても、SNSに居場所となるコミュニティを見つけることもできます。ある種の逃げ場や心の拠り所になるコミュニティを作る場を、リアルに限定する必要はないのです。

Z世代にとって、リアルの世界とデジタルの世界の間に垣根はなく、対等でフラットに位置づけられているからこそなせるワザなのです。

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SNSのリスクを見極めるスキル

このように、彼らはリアル・デジタルに境界線を作らず、両方で複数のコミュニティに属しています。

【生の声】一緒にオシャレなカフェを巡る相手が欲しくてインスタで探した。趣味が近いかどうかは、過去の投稿を参考にしてる。

「SNSでの出会い」と聞くと、危険なイメージを持ち、少し心配になる方もおられるかもしれません。もちろんその気持ちはすごく分かりますし、やはりリスクはゼロではありません。SNSでの出会いをきっかけに悲惨な事件が起きているのも事実です。

しかし、そのようなリスクはZ世代も認識しています。彼らも、何も考えずむやみやたらにSNSで友達を作っているわけではありません。むしろSNSに投稿されているその人にまつわる多くの情報を基に、本当にリスクはないかを慎重に確認した上で交友関係を築いています。