ヒアリングを受けた母親にはタクシー券を出す
【ひろゆき】確かに、「お子さんの様子見に来ました」じゃドアを開けない人も多そうですもんね。オムツのサイズ感が、ドアを開けることに一役買ってる、と。
【泉】似た話で言うと、明石市では、母子健康手帳を発行する際に、必ず1時間程度のヒアリングをしているんですよ。お母さんと職員が子育てについて話したり、あればお悩みとかを相談してもらう感じです。でも、1時間って長いですし、お母さんにとっては正直面倒ですやん。だから、それに付き合ってもらった人には、5000円分のタクシー券を支給しているんです。それでも職員としゃべりたくなくて帰る人は、大体ワケありです。
【ひろゆき】なるほど、そこでちょっと怪しいなっていうのがわかる。
厚労省に「やりすぎ」と言われても児童手当の振り込みを止めた
【泉】何か深刻な事情がある可能性があるから、後で職員が家庭訪問に行くようにしています。あと、子どもの定期検診あるでしょ。1歳6カ月児検診とか3歳児検診とか。それに来ないご家庭には、翌月から児童手当の支給を止めさせてもらっています。お子さんと一緒に役所まで来てもらって、母子の健康を確認できたら、お金を渡すことにしているんです。
【ひろゆき】児童手当って、市の権限で勝手に止められるものなんですか?
【泉】厚生労働省に掛け合いました。最初は「児童手当を止めるのはやりすぎです」って反対されて。それでも粘ったら、「銀行振り込みを現金手渡しにすることは可能です」と。だから、子どもと一緒に来てくれたら渡しますっていうルールにしたんです。
【ひろゆき】オムツ定期便もそうですけど、表向きの政策の見えないところに「子どもを守る」っていう本当の目的があって、そのつくり方が非常にうまいですよね。