「その場合は誰が権力を握っても政権は弱体化し、ロシアは戦争遂行にかまけてはいられなくなるだろう」とモティルは述べた。「この混乱を生き延びた場合、ロシアは中国の弱い属国と化す可能性が高いし、生き延びられなければ、ユーラシアの地図は大きく変わる可能性がある」
フランスのシンクタンク「モンテーニュ研究所」の地政学専門家であるブルーノ・テルトレも、ウクライナ戦争が「二度目のソ連崩壊」をもたらす可能性が高いと指摘した。
テルトレは昨年12月に、「プーチンはロシア世界(ルースキーミール)の統一に失敗しただけではない。今回の戦争によってロシアに最も近い複数の隣国も『脱ロシア』を望むようになった」と書いている。
米シンクタンク「ジェームズタウン財団」の上級研究員であるヤヌシ・ブガイスキは、西側の政策立案者たちは「差し迫る」ロシア崩壊に向けた備えがまったく出来ていないと警告する。
ブガイスキは1月12日発行のポリティコ誌に寄稿した論説の中で、次のように述べた。「西側の当局者たちは、ロシア崩壊の影響に備えたり、ロシア帝国主義の崩壊につけ込んだりする代わりに、冷戦後の過去に戻れると信じたがっているように見える」