他者の世界地図(領土)を理解するコミュニケーション
第2位は、『いつもよりラクに生きられる50の習慣』。
本書の著者、藤本梨恵子氏は、喧嘩の絶えない家庭で育ち、親類の家を転々として過ごしました。社会人になって入社した会社では、毎月の残業が130時間以上にのぼり、ストレスまみれの会社員生活を送っていたそうです。
不安だらけの人生、ストレスばかりの仕事、つらい人間関係……そうした状況を好転させてくれたのが「NLP心理学」でした。本書では、NLP心理学をベースとした、ラクに生きられる習慣を50個紹介しています。
そのうちの一つは、相手の価値観を尊重すること。
NLP心理学には、「地図は領土ではない」「他者の世界地図を尊重することはコミュニケーションの基本条件である」という考え方があります。
「地図は領土ではない」は、私たちが認識しているものと現実は同じではないということ。「他者の世界地図を尊重することはコミュニケーションの基本条件である」は、自分の考え(地図)が正しいと思い込まず、相手の価値観(地図)を理解しようということです。
価値観は人それぞれ違うもの。そう理解し、相手の価値観を尊重しようとするだけで、コミュニケーションでモヤモヤを感じる機会が減っていくのではないでしょうか。
モヤモヤの言語化でストレス源が消える
第3位には、『アウトプット大全』などのベストセラーで知られる精神科医、樺沢紫苑氏の『言語化の魔力』がランクインしました。
あなたは、悩みを抱えているとき、まず何をしますか? ショッピングする、ゆっくり寝る、暴飲暴食する……さまざまな方法がありますが、これらは根本的な解決にはなりません。
そこで著者が勧めるのは「言語化」。モヤモヤを言葉にできると、心がスッキリするだけでなく、無意識が意識に変わり、分析したり、対処法を探したりすることができるようになるからです。
最も簡単なのは誰かに相談してみることですが、相談に抵抗があるなら、気心の知れた友人に気持ちを聞いてもらうだけでもOKです。「つらい」「苦しい」と口に出すだけで、心が軽くなり、ストレスとネガティブ感情が抜けていくでしょう。
気持ちを開示できる相手が見つからないなら、ノートとペンを用意して、ストレスを感じた出来事とその時の感情を書き出すだけでも十分です。頭のなかが整理され、対処法に気づけるでしょう。
ちょっとしたモヤモヤが重いストレスに変わる前に、「言語化」の力に頼ってみませんか。