北海道版のミシュランガイドに掲載される
――そして、2017年には『ミシュランガイド北海道2017特別版』に掲載されましたよね。率直に、どう思われましたか?
【小野寺】本当にうれしかったですね。私はもともと千葉県出身で、ミシュランガイドのすごさを知っているので最初は驚きを隠せませんでした。地元の友人が「すごいじゃん」と祝福してくれた一方で、北海道の方はミシュランガイドをあまり知らないのか反応が薄くてさみしかったですけどね。
――ミシュランガイド掲載後は、お店に来る外国人観光客の数は増えましたか?
【小野寺】北米やヨーロッパからのお客様は多くなかったので、分かりやすく海外からのお客様が増えた実感はそれほど湧かなかったですね。アジア系のお客様がたくさんいらっしゃっていたようなのですが、厨房で忙しく働いているとどのお客さんが海外の方なのかが分からないというのが正直なところです。
ミシュラン掲載をきっかけに、日本のお客様が増えたかどうかもよくわかりませんでした。というのも、それまでのライダーさんの口コミや全国的な「豚丼ブーム」、メディア取材など、さまざまな要素が重なっているので、ミシュランに掲載されたおかげでお客様が増えたのかどうかという因果関係がいまいちわからなかったためです。
――人気の理由が直近のミシュラン掲載に関係しているかわからないほど、さまざまな要因に恵まれたんですね。
移転後もピーク時には120人ほどの大行列に
【小野寺】ただ、先ほどもお伝えしたように、お客様が何時間もお待ちになることを心苦しく思っていました。当時の店舗は駐車場が4台分しかなく、こちらからご案内していたわけではないものの、多くのお客様は近隣のスーパーの駐車場に車を停めざるを得ない状況が数年続いていましたから。
ミシュラン掲載に背中を押されるかたちで、2017年に21台分の駐車スペースを備えた新店舗をオープンしました。
――移転されてからは、行列は解消されましたか?
【小野寺】店内も広くはなったのですが、時期と時間帯によってはお客様の行列はまだありますね。夏場のピーク時には駐車場に入るのを待つ車の列が50台ほど続き、人数にして120人ほどの方にお待ちいただくこともあります。
ただ、席数が倍になったことと、焼き台を増やしたことで待ち時間がかなり解消されました。駐車場も広いので車の中や、順番が近くなれば、軽食コーナーのある室内でお待ちいただくこともできます。以前のように、炎天下や悪天候のときに外でお待ちいただくようなことはなくなりました。