もはや習近平にも止められない…

また、取り巻きたちは習近平の指示待ちに徹し、自ら動こうとしないとも同記事は指摘している。デモの発生や感染者数の急増など、政権は突発的な事象に対応できる体制になく、この点でも構造的な弱みが露呈した。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのセンタービル前で行われた、ゼロコロナ政策に反対する抗議デモ(写真=PaintWoodSt/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

長きにわたり、数名の感染者を確認しただけで建物や都市全体を封鎖してきたゼロコロナ政策は、昨秋爆発した民衆の怒りを前にして崩れ去った。ところが悪政が去ると同時に、人々は新たな愚策に翻弄ほんろうされている格好だ。

旧正月の前夜、習近平氏は農村部での蔓延まんえんに備えるよう警告を発している。英フィナンシャル・タイムズ紙はこれを、ゼロコロナ後の公衆衛生の悪化を政権が最も直接的に認めた事例だと捉えている。

ゼロコロナにより自然感染と免疫獲得の機会を逸し、有効率の低い国産不活化ワクチンのみに依存した状態での規制解除。これにより国内の感染率は9割とも言われる異様な水準に達した。

続く旧正月の大移動により、農村部の高齢者の命が危険にさらされている。国外では、各国が中国の国境再開を喜ぶどころか、変異株の流入に神経を尖らせている状態だ。

習近平氏は、まずい状況に追い込まれた。ゼロコロナの頓挫を通じ、中国国民はすでに、デモによって政策を変革できるという事実を学んだ。旧正月の前後の死者数の推移によっては、ほころびの目立ち始めた習近平氏の施策に対し、次なる大規模なデモの波が襲い来る事態も考えられそうだ。

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