経歴の見せ方には強弱をつける
「短期間しか担当していない業務」と「長期にわたってしっかり経験を積んだ業務」が、同程度のレベルに見えてしまう職務経歴書もよく見かけます。
自身の「強み」につながっている経験、応募先企業で生かせそうな経験については、担当した業務だけではなく、工夫や成果についての具体的なエピソードも盛り込むことで、採用担当者に「強み」が伝わりやすくなります。
ただ、いくら自分の強みであっても、それが応募先企業が求めている「強み」でなければ採用担当者には響きません。
応募先企業の求人情報を読み込み、求めている人材像をしっかりつかんでください。応募先企業が求める要素と一致していなければ、いくら自分が自信を持っている経験でもアピール効果は期待できないでしょう。
逆に、「サポート程度だった」「短期間だった」といった理由で「たいした経験ではない」と思い込んでいることが、実は応募先企業で高く評価されるケースもあります。特に「デジタル化(ITツール導入など)」「働き方改革のための業務効率化」など、トレンドになっているプロジェクトについては、サポート程度の経験であっても記載しておくことをおすすめします。
「社長賞」「MVP」だけではアピール不足
前職での成果をアピールするため「社長賞受賞」「MVP獲得」「○○1位」といった実績を記載する方もいらっしゃいます。しかし、それだけではその「価値」が伝わりません。
例えば「社長賞」であれば、毎月複数の人が受賞しているものなのか、年間で1人のみなのかで価値が異なります。「○○1位」も、20人中なのか100人中なのかで評価が変わってくるでしょう。
これらを記載するのであれば、「○人中1位」「最年少で獲得」など、難易度や価値がわかるような情報を添えるようにしてください。
「出向・転籍」は転職に見せない工夫を
ある方から転職相談をお受けしたときのことです。ざっと目を通したときに「何度か転職をされているのだな」と思ったのですが、よくよく読んでみると転職歴はなく、1社から「出向」「転籍」していることがわかりました。出向・転籍によって所属企業名が複数並ぶことになったわけですが、すべて並列で書かれていたため、転職回数が多いように見えたのです。
企業によっては、「転職回数が多い」というだけで、書類選考で落とすこともあります。多くの応募書類に目を通している採用担当者であれば、じっくり読まずに誤解したまま不採用判断をする可能性もあります。
出向・転籍である場合、それが明確にわかるように書き方を工夫してください。