シン国民車になったN-BOX

様相が変わるのは2011年ぐらいでしょうか。そう、いまや新・国民車と言うべきスライドドアを備えた軽スーパーハイトワゴンのホンダ・N-BOXが登場したのです。

同年に初代が出て13年に軽乗用販売でトップになったと思ったら、19年までに7年連続でそれを維持しただけでなく、登録車を含むオールジャンルでも2017~19年と2021年にはトップ。

厳密に言うと既に2003年には両側スライドドアスーパーハイトワゴンの元祖であるダイハツ・タントが出ていましたが、まだまだヒンジドア優勢は動かずで、本当に時代が変わるのはホンダ・N-BOXが出てから。

もちろんその後もワゴンRは首位奪還を諦めず、2011年以降2回フルモデルチェンジを行っています。特に2017年に登場した現行6代目モデルの力の入りっぷりは凄かった。

筆者撮影
2017年、4年ぶりに全面改良したワゴンR

新世代プラットフォーム「ハーテクト」採用はもちろん、パワートレインもマイルドハイブリッド全車採用で、デザインは初代を思い起こさせるボクシーフォルムが復活。加えて贅沢にもノーマル、カスタム、スティングレーと顔を3パターンも用意した上で、エンジンまで新開発。アシストモーターのパワーが上がり、燃費が着実に良くなっていたのです。

小沢はこの事態を見て「鈴木修パワープレイ」を感じた次第。カリスマトップの出世作だけに、何が何でもトップに返り咲きさせたい。多少、無理を押してでも成功させたい。スズキの秘めたるプライドがギュギュッと押し込まれたクルマでありました。

当時のTVCMも凄く、トップ女優の広瀬すずちゃんに草刈正雄のダブルキャスト。力が入りまくっているのがビンビンに伝わってきました。

が、しかし結果はご存知の通り。やはり時代の趨勢はスライドドア。特に軽自動車はそうで、2021年にはワゴンRにスライドドアを付けたスマイルが登場したのです。

筆者撮影
筆者撮影
スライドドア付きのワゴンRスマイル