年が明けた頃には、そのギングリッチ氏とミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事、前ペンシルベニア州上院議員のリック・サントラム候補、そしてロン・ポール・テキサス州下院議員の4人に絞られた。
3月初旬、激戦区と言われたオハイオ州の予備選を取材したが、メディアで騒ぐほど有権者は強い興味を示しておらず、同州の投票率は13%に留まっていた。
4月上旬になってサントラム候補が選挙レースから撤退し、事実上、ロムニー候補が共和党の代表候補に決まった。「事実上」と書いたのは、夏の党大会まで正式な候補と呼べないからだ。第3候補の出現もなくはないが、可能性はたいへん低い。
共和党は8月27日からフロリダ州タンパで、民主党は9月3日からノースカロライナ州シャーロッテで党大会を開く。そこから11月6日の本選挙までが「オバマ対ロムニー」の一騎打ちとなり、本当の大統領選のシーズンが始まる。4月末の時点で、各種世論調査ではオバマ大統領が数ポイントのリードを保っている。
話を本題のフィクサーに戻したい。
フィクサーと呼べる人物は、候補の影になってまったく見えないわけではない。しかし、米国の有権者であれば誰でも知っているということでもなく、2011年から水面下で活発に動いている。
フィクサーはまず集票に強い力を行使できなくてはいけない。ここで注目したいのが彼らの集金力である。日本の選挙は衆参両院ともに2週間ほどの選挙期間だが、米大統領選にキャンペーンの期限はない。出馬表明をした時点から資金を集められる。2年以上ということもある。