全面建て替えで新青山葬儀所はどんなものになるのか

民間の葬儀社では家族葬専用ホールへの改修が進み、選択肢が限られてきている。青山葬儀所くらいはある程度の収容力があったほうが、差別化が図られてよいかもしれない。葬式に限らず、シンポジウムや展示会、イベントなどの利用も柔軟に検討してもよいのではないか。

撮影=鵜飼秀徳
解体前の青山葬儀所。現在は、建物が解体され更地になっている

リニューアル後は参列者に配慮した構造にはなりそう。寒暖のシーズンにも快適に過ごせるように、これまで吹きさらしだった中庭をガラス壁で覆ったり、葬儀所内に待合室も設けたりするという。

日比谷花壇グループでは今年になって、葬儀事業者や専門家、出版社らにたいしてアンケート調査を実施し、私も協力した。アンケートでは今後の大規模葬のあり方についての質問からはじまり、葬儀様式の変化などを踏まえたうえでの意見等が求められた。そこでは、以下のような意見が聞かれた。

「火葬施設を併設すべきだ」「最寄りの地下鉄より地下で繋がるルートがあるとよい」「遺族とVIPの専用面会室が必要では」「小規模な式場では青山葬儀所の利用価値はない。都内最大規模であってほしい」など。

また、「素案の図面を事前に確認できれば、遺族や主催者の意向に沿う葬儀・お別れの会がきちんとできるかわかるし、工夫や提案もできる」という意見も少なからずあった。アンケートの結果は東京都に提出済みという。こうした意見を踏まえて、東京都がどのような施設にするのか、注視していきたい。

いずれにしても新生青山葬儀所には、次代の葬送文化を牽引する存在であってほしい。家族葬や直葬の流行によって死のリアリズムが失われてきているいま、新生青山葬儀所に求められるのは「追弔を通じて、死をオープンにし、学んでいく場」なのではないだろうか。

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