値下げどころか、5300万円でも売却可能

不動産エージェントの調査結果は、驚くべきものでした。

まず、過去3年間の売買記録を調べたところ、Aさんの物件と築年数・間取りが同程度で、かつ東京都台東区周辺の物件は、すべて販売開始後1カ月程度で売れていました。

このエリアはファミリー層のニーズが強く、Aさんの物件であればおそらく5300万円でも売却可能だということがわかりました。

不動産会社が提案した売却価格5000万円より300万円も高く売れるのです。

不動産会社が勝手に内見を断っていた

次に、エージェントは不動産会社を通じてAさんの物件に内見の申し込みをしてみました。不動産会社がどのような対応をするのか、探ってみたのです。

すると、案の定、不動産会社から「売主が引っ越し準備中で、すぐには内見できない」という返事がありました。

Aさんは不動産会社に、「いつでも内見可能」と伝えていたにもかかわらず、不動産会社が勝手に内見を断っていたのです。

おまけに、内見の申し込みがあったこと自体も、Aさんに報告していませんでした。

写真=iStock.com/Andrii Yalanskyi
不動産会社が勝手に内見を断っていた(※写真はイメージです)