間違いでなければ、ずるい方法でもOK

ここで、みなさんに質問があります。

あなたが何か問題に直面していて、解決案を探しているとします。そんなときに、ルールを破ることにはならないけれど、モラル的にはグレーゾーンな解決策を思いついた場合、みなさんならどうしますか?

・問題を解決できるなら、人に「ずるい」と言われても仕方ない
・道徳に反するなら別の解決策を考える

意見が分かれるところだと思うのですが、僕の考えはこうです。

「被害がないのなら、ずるい手もアリ」

問題解決において「ずるい手」をアリとするか、ナシとするかで、選択肢の幅はかなり違ってきます。そして、問題解決においては、ずるい手も含めて考えられる人のほうが、正解のない問題を解くのは得意だったりします。

反則ワザにもNGはある

こうした正解のないところから正解っぽいものを見つけ出す能力を競うコンテストがあるのを、みなさんご存じでしょうか。

それは「エッグ・ドロップ・コンテスト」という競技で、高いところから生卵を割らずに落とす装置をつくる実験コンテストです。

90年代半ば頃からアメリカの大学などで開催されるようになって、近年は日本の中学や高校でも行なわれています。

細かなルールは大会によって違うのですが、だいたい以下のようなかたちです。

・校舎の3階(高さ10メートル)から卵を落とす
・紙とセロハンテープは使ってもOK
・卵が割れたら失格(ヒビが入っても失格)

限られた道具を使って卵が割れない装置をつくるのですが、考え方としては「落下時の衝撃を吸収する」か「落下速度を抑える」の2つになります。なので、ほとんどの人は「衝撃を吸収するクッション型」か「落下速度を抑えるパラシュート型」のどちらかの装置をつくります。

でも、僕ならまったく別の方法を考えます。

まず紙を細長く切って、それを全部セロテープでくっつけて長いひもをつくる。そして、そのひもを卵にぐるぐる巻きにして、上からそのひもを降ろして着地させる。

どうでしょう?

ずるい方法だと思いますか?

「ひもで降ろす」という方法が「落とす」に含まれるかどうかは議論になりそうですが、ルールには反していません。

西村博之『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)

このように、ルールのスキをついて、反則ワザかもしれないけれど間違いではない方法を考えるのが、僕はけっこう好きです。もちろん法に触れる方法はダメなのですが、問題が解決できるのであれば、「ずるいと思われるかな」といった他人への感情は考慮する必要はないと思います。

ただし、反則ワザにもNGはあります。

それは被害者がいる場合です。

エッグ・ドロップ・コンテストの場合、先ほどのずるい手を使っても、誰にも被害はおよばないので問題はないと思うのですが、物理的な被害が発生する場合は、別の解決策を探したほうがいいでしょう。

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