ギャンブルやアルコールの快楽に似ている
ガチャの仕組みは、パチンコなどのギャンブルと類似性が高く、ドーパミンが出る中毒性の高い行為であることがわかっている。
動物が何かの行動の報酬として食べ物を得られた場合に、脳から出るドーパミンの量を調べた実験がある。それによると、食べ物を得られたときよりも、得られる直前のほうが多かったというのだ。
ある行動をするとほしいものが確実に出るとわかっていると、人は退屈してすぐにその行為をやめてしまう。しかし、ランダムに得られる場合は、その行動を永遠に繰り返し続けてしまうという。
何かを得られたときよりも、それを期待しているときのほうがドーパミンが多く出て快楽性が高いため、その快感が病みつきになってガチャを回し続けてしまうというわけだ。
MRIにより、ギャンブルやアルコール中毒に陥っているときの脳の状態と、ゲーム中毒に陥っているときの脳の状態は、非常に似通っていることが証明されている。
2019年にWHOによってゲーム依存は病理と認定されたが、ゲームはアルコールやギャンブルと同様に依存性が高いものなのだ。その中でも特に依存性が高いのが、前述のガチャというわけだ。
日本人のゲーム課金額は世界一
一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)によると、2020年の国民1人当たりの年間ゲーム課金額は日本では1万円程度だった。一方、米国は約6000円、中国は約1500円で、日本が諸外国を抑えてトップとなっている。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「オンラインゲームの動向整理」(2022年3月)によると、有料のアイテムや電子くじ(ガチャなど)を購入できるオンラインゲームを利用したことがある人のうち、この1年間で48.9%が有料アイテム、31.9%が電子くじを購入したと回答した。
「1カ月あたりの平均課金額」は1000円未満が42.1%、1000円~5000円未満が34.8%、1万円以上は10.8%。「最も課金したゲームでの課金総額」では、1万円~10万円未満が29.0%、10万円以上が10.6%と高額課金者が目立っている。
また、オンラインゲームを利用した際の一番のトラブルとして、「課金額が予想外に高額になっていた」と答えた人は2番目に多い17.4%で、年代が上がるにつれて増える傾向がみられた。