海外嫌いでも海外移住を決めた意外な理由

ただその方は無欲すぎて、高額なスポーツカーや時計だけでなく、おいしいものを食べたい、などの食に関する欲もなく、「世の中に投資がなかったら、生きる意味自体何も感じられないんじゃないか⁇」と心配になるほどです。人間的な熱さや力強さなどはなく、ビジネスオーナーの対極のタイプで、ある意味「究極のシン世捨人」という感じです。

大森健史『日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか』(朝日新書)

ビザ申請についても申請費用が多少かかったら「高いね」とは言いますが、淡々としそんな彼から、新たにオーストラリアの投資永住権を申請したいという依頼があったときには、不思議に感じました。

本人も「海外にはあまり行きたくないんです。オーストラリアに行ったこともないです。でもとりあえず永住権を取っておきたいなと思ったので、手続きをお願いします」と言われます。理由を聞くと、「北朝鮮がミサイルを打ってくるなど、何かあったときに、日本から逃げられるようにしておく」とのことでした。

驚くかもしれませんが、こうした「有事に備えたいから」という理由で永住権の問い合わせをしてくる人は、実は多いのです。日本の地震の多さを心配する人もいますし、「日本は将来、国家破産する。そんな衰退する国で子育てをするのは、子どもが可哀想だ」と言う人も少なくありません。考え方は多種多様で私自身も色々なお話をうかがえるので日々勉強をさせてもらっています。

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