なりたいものになれるのは、なろうとしたものだけ

僕は工場をやめて腐っていた。苛立っていた。腐って、苛立って、迷っているだけだった。

でもそのいまの現状はだれがつくったのか? 不満の矛先はだれに向けるべきなのか? 僕だ。僕自身だ。

金持ちになりたい。そのための努力を僕はしてきただろうか? 正しい努力をしてきただろうか? ノーだ。完全にノー。さっき口走った月100万円という目標には1ミリも近づいていなかった。

僕はどこにも向かっていない。ぼけっと突っ立っていて100万もなにもない。あたりまえだ。愚かだ。野球選手になりたいのか、サッカー選手になりたいのか、それすらまともに定まっていないじゃないか。

そのとき僕はようやく目が覚めた。愚かな自分をやっと見つめ直した。僕は心のなかでつぶやいた。なりたいものになれるのは、なろうとしたものだけだ。

労働者のままではお金持ちにはなりにくい

ビジネスにおいて人の役割は4つに大別できる。このことも初めはその経営者の男性から教えてもらったことだ。その4つとは、①労働者、②個人事業主(自営業者)、③経営者、④資産家(投資家)。それぞれお金の稼ぎ方が違う。

①「労働者」とは、自分の時間をお金に換える人のことだ。つまり、自分の労働力を切り売りする。自分の時間、労働力の対価として金銭報酬を得るわけだ。会社員、公務員、アルバイトの人はこの「労働者」である。

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労働者であることのメリットは、毎月あるていど決まった収入があること。

労働者であることのデメリットは、その労働のクオリティが報酬に加算されにくい点だ。基本的にクオリティは度外視される。労働にかかわる自分の時間そのものに対価がつく。ようするに、いくらがんばって目覚ましい成果(売上)をあげたところで、それがそのまま給与(金銭報酬)に転換されることはない。かりにその職場で出世しても事情はたいして変わらない。爆発的な収入増はほとんど期待できない。

つまり労働者として働いている以上、お金持ちにはなりにくい。