学生時代の経験でもいい

このようなリーダー経験が「社内でも社外でもない……」ということであれば、学生時代にさかのぼっても構いません。例えば、部活動での「部長」「キャプテン」など。

「この年齢になって学生時代の経験をアピールするなんて」と思われるかもしれませんが、「リーダーの素養」については、30代~40代になっていても、プラス評価されることがあります。

前職の企業風土によっては、女性にはリーダーを務める機会がなかなか与えられない実情を、採用企業側も理解しています。学生時代の経験であっても、「この人はリーダーの役割に抵抗がないのだな」と安心し、プラス評価につながる可能性があります。

「フォロワーシップ」「心理的安全性」…マネジメント理論を学ぶ

管理職を務める素養や意欲を応募先企業にアピールする方法として、「マネジメント理論を学んでいる」ことを伝えるのも一つの手です。

ある転職希望者の方は、職務経歴書の自己PR欄に、ドラッカーのマネジメント理論の中で気に入っている考え方・言葉を記載していました。マネジメントへの意識が高く、体系的に学ばれたことが伝わってきました。

先ほど、「サーバント型」「フォロワーシップ型」のマネジャーが昨今の転職市場で求められていることをお伝えしました。

こうしたマネジメントスタイルを実践するなら、「フォロワーシップ」「心理的安全性」などのキーワードで書籍やセミナーなどを探し、学んでみることをおすすめします。

「心理的安全性」とは、組織に所属するメンバーが、「他のメンバーからどう反応されるか」という恐怖心や不安を抱くことなく自分の意見を発信し、ありのままの自分をさらけ出せる状態を指します。2012年、Googleが「生産性が高いチームは心理的安全性が高い」という調査結果を発表して以来、多くの企業が注目しています。

組織作りにおいて「心理的安全性」を意識する企業が増えていますので、「心理的安全性を高める方法」に関する知識は、無駄になることはないでしょう。

あるいは「コーチング」「キャリアカウンセリング」を学んで資格を取得するのも有効だと思います。

「女性管理職」のニーズの高まりの波にうまく乗れるように、「これまでの経験を整理する」「必要な知識を学ぶ」ことで、チャンスをつかんでください。

(構成=青木典子)
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