中高生までが性的な好奇心の対象にされている

▽名誉毀損罪も

ビーチバレー女子の坂口佳穂選手(24)=マイナビ/KBSC=は競技を始めた大学1年の時に、自身の画像が性的な文言とともにインターネット上で広がっていることを両親や友人から伝えられた。

共同通信運動部編『アスリート盗撮』(ちくま新書)

「若ければ若いほど気にしてしまうと思う。そういう被害を見て、競技をやりたくないとなってしまうのが一番つらい」と言う。10月には人工知能(AI)技術を使って女性芸能人のわいせつ動画を無断で制作し、ネット上に公開したとして、名誉毀損と著作権法違反の罪で起訴された事例があった。こうした偽動画の技術は「ディープフェイク」と呼ばれる。

性犯罪被害に詳しい上谷さくら弁護士は「アイコラ(アイドルなど有名人の写真を加工する合成画像)やディープフェイクは、現時点ではせいぜい名誉毀損罪が成立する程度。明確に性犯罪という位置付けで立法化することが求められている」と指摘。「親に心配をかけたくないという心理も働くし、泣き寝入りしやすい。スポーツの場で、中高生までが性的な好奇心の対象にされて傷ついていることは重大な問題だ」と話している。(共同通信 20年10月31日配信)

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