クレジットカードを持たないZ世代の間で人気上昇中

新興サービスには必ずといっていいほど、それを悪用して暴利をむさぼろうとする者が現れる。急成長しているクレジットカードを使わずにオンラインで買い物ができる「後払い決済サービス」(BNPL)もそのひとつだ。

クレジットカードを持ってスマホを見ている人
写真=iStock.com/oatawa
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同サービスは、インターネット通販(EC)で商品を購入し、商品が届いた後、2週間から1カ月程度の間に紙の請求書やスマホアプリに届くバーコードを使ってコンビニや銀行などで代金を支払う仕組みだ。衣料品や食品などの物販のほか、旅行代金やオンラインゲームの課金サービスも対象で、クレジットカードを持たない若者層を中心に急速に利用額を伸ばしている。

海外では、昨年10月に米PayPal(ペイパル)が3000億円で買収したPaidy(ペイディ)が代表格で、日本では昨年12月15日に東証1部に上場したネットプロテクションズホールディングスが最大手の事業者として知られる。とくに米国では、クレジットカードを持たない若者層を中心に急速に普及しており、いわゆる「Z世代」と呼ばれる層の約4割はBNLPを利用しているというデータもある。

「錬金術」でそそのかし、暴利を取る悪質業者も

だが、代金の清算を翌月1回払い(マンスリークリア)のみとしている業者が大半で、割賦販売法の適用除外となっていることもあり、市場規模の拡大とともに消費者トラブルも増えている。「2020年の改正割賦販売法で後払い類似サービスに関する規制が定められたのですが、後払い期間が2カ月以内の場合、割賦販売法の規制を受けないことになっています」(メガバンク幹部)というのが理由だ。

例えば、国民生活センターには利用者の支払い能力を超えて決済が行われているケースや事業者が問い合わせに十分な対応をとってくれないといった苦情が多く寄せられているという。中でも懸念されるのは、今回紹介するような「錬金術」で消費者をそそのかし、利ザヤを稼ぐ悪質業者の存在である。