悩むなら、いまここで真剣に悩み抜くべき

禅の教えでは、過去や未来はそもそも存在しないとまでいわれています。正確には、悩むなら「いま、ここ、自分」に集中して悩めばいいということですね。

悩むなら、いま真剣に、徹底的に、全身全霊をかけて悩み抜けばいい。でも、たいていの場合、人は「いま、ここ、自分」をなおざりにして、過去や未来についていつまでもくよくよと悩んでしまうのです。

もちろん、長年の考え方や習慣を変えるのは一朝一夕にはできませんから、しばらくのあいだ「真剣に悩み抜く」練習は必要でしょう。

でも、あなたはいま「気づく」ことはできるはずです。

あなたは、過去と未来をコントロールすることができますか? 他者やまわりの環境をコントロールできるでしょうか? 嫌いな上司をコントロールし、将来を好きなようにコントロールできるでしょうか?

島津清彦『元上場企業社長の「禅僧」に、今の時代の悩みをぶつけてみた。心が回復する禅問答』(プレジデント社)

そんなことは誰にもできません。それなのに、コントロールできないものにいつまでもこだわってしまう。なぜでしょうか?

それは、やはり「我執」があるからです。我執が強いから、いつまでも過去を後悔し、未来に不安を感じてしまうのです。

そうではなく、あなたはコントロールできる世界をすでに手にしています。それは「内なる自分の世界」です。

深い意味では、これも“ある程度”コントロールできるに過ぎませんが、いずれにせよ、禅の教えの真髄は、いまここにある自分にどれだけ真剣に向き合えるかにかかっています。

いまこの瞬間に集中するから、過去や未来を思い煩うことがなくなり、やがて我執も減っていくのです。

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