他者をコントロールできると思ってはいけない
会社などでは、上司の指示に部下が従わなければ組織は成り立ちません。その意味では、誰かの意図のもとに、他者を動かしているともいえます。
しかし、それは上司が部下をコントロールしているのではなく、部下がそうすることを「自ら選んでいる」ととらえるべきではないでしょうか?
もし上司が、「自分が部下をコントロールしていると思っている」なら、その上司はリスクマネジメントができていないどころか、そもそも人間の本質についての洞察が欠けているといわざるを得ません。
そして、そういう人が、思わぬときに足をすくわれるのです。
大切なことは、他者をコントロールしようとするのではなく、「いま、ここ、自分」に集中することです。
悩みが一気に晴れる禅の言葉
「即今 当処 自己」という言葉があります。禅の教えの根幹は、いまここにいる自分にフォーカスすることです。
実は、ほとんどの人は、いまこの瞬間の自分から離れて、過去や未来について悩んでしまっています。
「なぜあのときにしっかり勉強しておかなかったのか……」「将来の生活はいったいどうなるのだろう?」などと妄想や雑念が入り乱れて、頭のなかで思考が暴れています。
つまり、自分でコントロールできないことばかりを悩んでしまい、どんどん止められなくなって、大きな苦しみの原因になっているのです。
しかし、いまこの瞬間にしっかりと集中することができれば、実は悩みはなくなります。
実際のところ、いまこの文章を読んでいる瞬間に、あなたは将来やお金について悩んではいないでしょう。なにかをしながら、同時に将来やお金について深く悩めるわけがないからです。
そして、いまこの文章を読んでいるあなたこそが、まさに「いま自分の人生を生きているあなた」だということです。
あなたが、「いま、ここ、自分」に集中して過ごすこと、それがあなたの生の本質なのです。