おんどくのカギは「自分の声を聞く」こと
おんどくは学校の宿題でも定番ですが、お子さんの取り組み方はいかがでしょうか? ただ目で文字を追って声に出しているだけ、あるいは、ぼそぼそと小さな声で済ませるおんどくになっていませんか?
実は、おんどくで一番カギになるのは、「声を出す」ことより、「自分の声を聞く」こと。自分の声を耳で聞くことで、脳は聴覚に届いた刺激を記憶につなげていくからです。言葉が記憶に定着しないと、内容の理解も進みません。おんどくで、まずは目で見た文字を声に出し、それを耳で聞く、という作業を繰り返すことで、「読む」ための脳の仕組みがつくられていきます。
脳は、機能別に8つの「脳番地」に分類できます。読む力の土台は「聞く力」で、これが弱いと、ひらがなおんどくが苦手になりやすいのです。だから特に小学1年生は「聞く力」を育てることが大切です。
読むのが苦手なお子さんのおんどくを聞いていると、たいてい、語尾が聞こえてこないことが多いです。そうした子は、自分の声が聞こえておらず、内容も頭に入っていない傾向があります。
おんどくで、まずは目で見た文字を声に出し、それを耳で聞く、という作業を繰り返すことで、脳内のネットワークがつながります。「読んで、理解して、自分なりの考えを持つ」読書のための、脳の仕組みが作られていきます。
助詞を強調して読むことで単語のまとまりを把握する
それでは、「自分の声を聞くおんどく」は、具体的にどのようにすればよいのでしょうか。読むのが苦手なお子さんに特におすすめなのが、言葉と言葉の区切りにある助詞などを強調して読むおんどく法です。
たとえば、「頭は使えば使うほどよくなる」という一文があるとします。
この文章をおんどくするとき「頭は」の「は」、「使えば」の「ば」、「使うほど」の「ほど」を強く、大きな声で読むのです。
例)あたまはつかえばつかうほどよくなる!
黄色い箇所を強調して読む
言葉と言葉をつなぐ助詞をあえて強調することで、単語の区切りが明確になり、前後の名詞や動詞が脳に残って記憶しやすくなります。また、助詞に意識を向けて助詞の意味を理解することは、読解力を高めることにもつながります。
『1話5分 おんどく名作』では、助詞などに独自の「おんどくサポートマーク」を付けることで、読むのが苦手なお子さんでもおんどくしやすい誌面になっています。マークがあることで単語をまとまりとしてとらえやすくなり、「スラスラ読めた」という達成感にもつながりやすくなります。