まずは抽象度の高い質問で
・タイプ別会話の攻略法
休暇中の話題など、あまりプライベートなことを話したがらない人もいます。その反面、夏の思い出話をしたくて、うずうずしているタイプもいます。そこで、まずは、相手のタイプを見極める質問から入るといいでしょう。
はじめに「ゆっくり休めましたか?」「お休みはいかがでしたか?」と抽象度の高い質問をしてみます。この質問の仕方は「ああ、ええ、まあ」など曖昧な返事をしやすいので、あまり話したくない場合の逃げ道を作っておいてあげるのです。
「ええ、まあ」など曖昧な返事なら、「そうですか、では今日からよろしくお願いします」と切り上げればいいですし、「温泉に行ってきましてね……」と喜々として話し始めたら「どちらの温泉ですか?」などと会話を盛り上げましょう。
一方、避けたいのは、いきなり、「夏休みはどこに行ったんですか」と具体的に訊ねること。この質問の仕方だと、プライベートに関してあれこれ詮索されたくないタイプの人にとっては、ぶしつけな印象を与える場合があります。子どもの受験、親の介護、出費を抑えたい事情、体調の問題などプライベートに関してはさまざまな事情がありますので、話したいか、そうでないかを確認してから会話を続けるのがコツです。
実は、同じ場所に行ったことがあるという共通点は、一気に心理的な距離が縮まるので、夏休みの旅行は絶好の雑談ネタでもあるのです。普段から関係をもう少し縮めたいと感じている上司や部下が休暇の話題に興味がありそうなら、「あ、そこ数年前に行ったことあります。今はどうなっているのかな」など、会話を楽しみつつ良好な関係づくりに活用しましょう。
お土産は買う派? 買わない派?
ところで、長期休暇の際に、職場へのお土産を買うか買わないかは、意見が分かれるもののひとつではないでしょうか。もちろん、どちらにしても個人の自由ですし、職場の風習でやらない場合はなくても良いです。
もし、どちらでも構わないという場合には、長期間の休みを取って旅行をしたときに勤務を交代してもらったり、忙しい時期に休んだりしたときなどには、職場のみんなで分けられるちょっとしたお菓子などを買ってみてはいかがでしょうか。
「お休みありがとうございました。よろしければお召し上がりください。」と付箋に一言添えてもいいですね。「この人は気遣いのできる人」と職場内での自分の評価もアップするかもしれません。
それに、お土産があると、「○○はどうだった? 楽しかった?」と話題を振りやすく良いコミュニケーションツールになります。雑談が苦手な方は特に、話題のきっかけづくりにおすすめです。職場だけでなく、お取引先やお客様に持っていっても、ご当地のお菓子などは喜ばれますし話題づくりになります。決して高価なモノではなくても、ちょっとした心遣いをかたちにしてみましょう。
仕事といえども、結局は人と人との付き合いです。休暇届を出していればあいさつなど不要という声もありますが、信頼関係はこうした毎日の心遣いを表す小さな言葉のやりとりで育まれます。夏休みを取るのに気兼ねをしてしまうような職場より、お互い気兼ねなく休める職場のほうが、どう考えても働きやすい環境です。お互いに配慮を示す言葉をかけ合って良い職場環境をつくり、楽しい休暇にしましょう。