本当の意味でIT先端分野の勝者になれるか
企業は社会の公器だ。非上場であれ、上場であれ、すべての企業に当てはまる。そのために、企業は環境の変化に対応しなければならない。言い換えれば、常に最悪のシナリオを想定する。変化に対応できるよう、トップは計画を練り、戦略を策定、実行する。それが企業の長期存続を支える。結果的に考えると、マスク氏はその点を十分に認識していなかったのではないか。
マスク氏がテスラの成長を実現したことは賞賛に値する。アニマルスピリット溢れる同氏の姿勢に学ぶことは多い。ただし、マスク氏は企業経営者だ。信義則は守らなければならない。公正な姿勢は欠かせない。その問題がツイッター買収劇で明らかになった。
今後、世界的に物価は高騰する。欧米の中央銀行はインフレ退治を急がなければならない。IT先端分野での優勝劣敗は鮮明となるだろう。その中でマスク氏がどのようにして社会の公器としての事業運営に取り組むかが注目される。