生真面目なビジネスパーソンだから再生できた

この一節は日本では通用するけれど、他の国ではそれほど通用しないかもしれない。わたしはアメリカ、イギリス、フランス、ハワイ、ケニアでゴルフをしたことがあるけれど、現地でゴルフをする人たちは「仕事の糧」とは思っていなかった。健康の増進、遊び、競技だと思ってやっていた。

野地秩嘉『名門再生 太平洋クラブ物語』(プレジデント社)

つまり、日本人はゴルフをするにも真面目だ。遊んでいても、そのなかから何かを得ようと思ってしまう。加えて貧乏性だ。お金を払って時間を使ったのだから、人生の指針を得たいと考えてしまう。遊びと割り切ってゴルフをしている人は少数だ。みんな生真面目なのである。

わたしが取材で出会った太平洋クラブの人たちも全員、生真面目だった。そして、ほのかにユーモアがあって、貧乏性だった。韓俊をはじめとする幹部たちは主催するトーナメントを横目に見ながら、ミーティングを始めてしまう。空いている時間があると、何かをやらずにはいられない。誰もが日本人ビジネスパーソンの典型だった。そういう人たちが太平洋クラブのサービスを支えている。

※『名門再生 太平洋クラブ物語』(プレジデント社)は2022年7月13日発売予定です。

関連記事
【第1回】経営破綻→全コースで黒字化達成…地に落ちた名門「太平洋クラブ」が劇的な再生を果たせたワケ
「桜の木をアラブに持ち帰りたい」そんなリクエストに一流ホテルのコンシェルジュが取った行動
「どんな人なのかが一発でわかる」銀座のママが初対面で必ず確認する"身体の部位"
「ほぼ100%の人が目を覚ます」タクシー運転手が酔った客を起こすときに使う"奥の手"
子どもに月経や射精について話すときに「絶対使ってはいけない言葉」2つ