「昭和のスタンダード」を押しつける義母にイライラ

【CASE3】「余計なアドバイス」をしたがる義母

「私が離婚を決めた理由は、夫の行動と義母の言葉」と振り返るのはKさん(45歳)。Kさんが6歳年下の夫と離婚したのは3年前。世間的には「性格の不一致」ということにしてあるが、じつは夫の浮気も離婚の原因のひとつだった。「夫は10歳も年の離れた若い子と浮気をしていた。もちろん、それも許せなかったが、近隣に住む義母からの突然の訪問や、1日何回も来る電話やLINEのストレスにも耐えられなかった」。

Kさんは41歳で第一子を出産。はじめてできた孫に、Kさん夫婦以上に張り切っていたのが義母だったという。「結婚した年齢が遅く、私が夫より6歳年上だったこともあり、ひとり息子に孫ができたのはうれしかったはず。だからといって、母親として先輩風を吹かせ、『昭和のスタンダード』のようなことを私にあれこれ押しつけてくることにイライラは募るばかりだった」。

アポなしの突然の来訪に子供が驚いて泣き出せば、「おっぱい、ちゃんとあげているの? 足りないんじゃない?」。なかなか寝返りがうてない場面では「息子の時はもっとちゃんと教えてあげたら上手にできたわよ」。仕事に復帰したいという話をすれば「保育園に入れるなんて、かわいそうなことよくできるわね」。そんなデリカシーの欠片も感じられない義母の言葉の積み重ねにKさんは追い詰められていったという。

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「義母の子育てとは時代も違えば、価値観も変わった。そこを理解しようとせず、つねに『自分が正しい』というスタンスで生活に押し入ってくるのもイヤだった。離婚して正解だったと思う」と自分の選択に後悔はないKさんだ。

「たった一言」が取り返しのつかない事態を招く

英語の表現で「ラストストロー」という言葉がある。直訳すると、「最後のワラ」。語源になっていることわざは、「たとえ一本のワラであっても、限界を超えたラクダに最後にのせれば、そのラクダは潰れる」という意味があるといわれている。

つまり、一見「そんなこと」と思えるような言葉でも、その人の心の限度を超えれば堪忍袋の緒が切れ、取り返しのつかない事態を招く、ということ。今回、紹介した3つのケースも、いずれも義母の言葉が原因で、妻の堪忍袋が切れて離婚の危機を招いたと推察できる。

家族というつながりがあっても、義母と妻の関係にラストストローはあてはまる。不用意な一言で絆が崩壊する前に、「これを言ったら、相手はどう思うか?」を考える、コミュニケーションの基本に立ち返ってみる必要はあるだろう。

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