数字は「総数」「絶対数」「相対数」を使い分ける

ビッグワードを使わないようにするなかで、特に重要なのがこの「数字で語る」ということです。ビジネスにおけるコミュニケーションでは、とにかく数字が大切です。

木部智之『入社1年目のビジネススキル大全』(三笠書房)

数字は明確で、誤解を生む余地がありません。100と言ったら100で、誰が見ても同じ事実です。ここに曖昧さはありません。

ただし、この数字にも、使う上での重要なポイントが3つあります。それは、「総数」「絶対数」「相対数」です。

「総数」とは、今考えるべき範囲の総量を示しています。「売上向上の課題抽出の対象エリアは10エリア」など、総量で仕事の範囲を語らなければいけません。逆に、総量を押さえていないということは、仕事の範囲が明確になっていない、ともいえます。

そして、「絶対数」と「相対数」です。

例えば「売上が10億落ち込んだ」という場合の「10億」は絶対数です。10億という数そのものを指します。ただしこの落ち込みが、20億から10億になったのか、1000億から990億になったのかで、インパクトは大きく異なります。

相対数はこの相対比較した数字のことをいい、この場合、20億から10億落ち込んだ「50%」、1000億から10億落ち込んだ「1%」が相対数です。

絶対数と相対数は、どちらが重要ということはありません。どちらの数字も重要です。むしろ、絶対数と相対数をペアで語ることが意味のある数字になります。

また、役職者は、数字で語ることが身に染みついています。そのような人にとっては数字のない報告は意味をなしません。

ビジネスの世界では、とにかく数字が重要です。あなたも、ふだんから数字で語れるように練習しておきましょう。

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