説明には「マジックナンバー3の法則」を使う

人間は「3」という数字に対し、安定していて丁度いい、という感覚を持つといわれています。モノが物理的に安定する最小数値も3です。例えば、カメラの三脚などがそうです。

また、マーケティング心理学では、奇数を使用したほうが高い効果があることが実証されています。人間の脳は偶数よりも奇数のほうが自然で心地よく感じる傾向がある、という調査結果もあります。

これを踏まえたのが「マジックナンバー3の法則」です。理由や根拠を説明する際に3つ挙げると、説得力が増すのです。

ビジネスシーンで「3」という数字は大きな役割を持ちます。今日から、説明するときにはとにかく「3つです」と言いましょう。

・課題は3つです。
・対策は3つです。
・理由は3つです。
・効果は3つです。

という具合です。

「課題は2つです」と言われると、聞き手は何となく落ち着かない印象を受けてしまいます。私は、説明するときに、2つ頭に浮かんでも、何とか工夫して3つ目を洗い出そうとします。それが、説明に安心感と説得力を持たせられるからです。

また、4つ頭に浮かんだときは3つにまとめるか、5つに増やそうとします。4という「偶数」よりは、5という「奇数」の心地よさを優先させます。しかし、5つも要素があると、説明されても頭にすんなり入ってこないですし、記憶にも残りにくくなります。

できるだけ「3」。できないときは、「4」ではなく「5」にするようにしましょう。

先ほどエレベーター・ピッチを紹介しましたが、そのトレーニングにも、ぜひこの「3」を取り入れてみてください。

「3つの対応方針を検討しましたが、今回は、A案を採用しようと考えています。その理由は3つです」といった具合です。

あるいは、ふだんの生活でもトレーニングできます。同僚とランチに行くときに、「今日のランチの候補は3つだな」とか、「今日はラーメンがいいな。理由は3つだ」と言ってみるのです。

ただ、口に出してしまうと「こいつは理屈っぽいヤツだ」と敬遠されるかもしれません。頭の中で練習する程度にしておきましょう。