「テキパキしている」と「あわただしく見える」の決定的違い

茶道をたしなむ人は、所作が綺麗と言われますよね。それはなぜだと思いますか?

その秘密は、茶道の所作は非常に合理的で無駄がないことにあります。私の茶道の先生も、

「家元のお点前は無駄な動きがなく、記憶に残らないほど自然なもの」

というお話をよくされていました。

綺麗な所作とは、見ている人がどういう身のこなしだったのかがわからないほど、さりげないものなのですね。

それを私たち女性の場合に照らし合わせて言うと、

・コートを着るときに腕を上げすぎない
・会話が楽しいからと言って身振り手振りを大きくしない
・バッグを持った手の先が、身体の内側にくるようにする

など、日常の小さな所作に気を配るだけでも、エレガントな印象になります。

ファッション誌などを見ていても、同じモデルさんでも着る服によって雰囲気が変わるのは、細かな手足の動きで、フェミニンさやマニッシュさを出しているからだと気づかされます。

また、「テキパキしている女性」と「あわただしく見えてしまう女性」の差は、体の動きに無駄があるかないか。無駄がないから動作が優雅でも、もたもたした感じにならず、効率的に動くことができるのです。

オフィスシーンや取引先との打ち合わせでも、書類を持つときに脇が開かないように腕をしっかりつけて背筋を伸ばすだけで、仕事ができる印象になります。脇が開いていると、文字どおり「脇が甘い」印象になることもあるのですね。

今はZoomなどによる打ち合わせも多いので、別の人が話しているときに、つい油断して手で髪を触る行為にも要注意。髪を触る仕草は、画面を通すと目立ちます。

上半身がぶれないように品よく座っている姿は、人に信頼感を与えます。

写真=iStock.com/kyonntra
※写真はイメージです

Zoom画面に映る指先さえも、エレガントに

コロナの影響で、これまで対面だったレッスンをオンラインにした起業家は多いですよね。私の生徒さんにも、それを機に売上げを2倍に伸ばした方が何人もいます。彼女たちは、まさに「上半身の印象」を徹底的に磨いていました。

その中に、以前は初対面の方に「怖そう」「ちょっとがさつそう」と見られがちだったと悩んでいた生徒さんがいました。彼女は販促をしようと、お茶会やワンデイセミナーを開いていましたが、なかなかレッスンの申し込みにつながらなかったと言います。

そんな彼女は、コロナ禍によるオンライン化で、初めて講師としての自分の姿を客観的に見たそうです。そこで彼女は、つい手で髪をクルクル巻いたり、猫背のまま早口で話したりしている自分の姿を見て、こう気づいたのです。

朝倉みや子『女性は「透明感」で人生が変わる 「実力以上」に見られる「クラス感」のつくりかた』(WAVE出版)

「これは、私が来てほしいと思っているお客さまが求める講師像ではない!」

そこから彼女は、優しく好印象を持たれる人になろうと、常に背筋を伸ばし、画面に映る指先も、日本舞踊のようにエレガントに動かすことを意識したのです。すると、

「○○さんの所作を見て、参加したいと思いました」

という申し込みが倍増したと言います。

この例でもわかるように、女性の場合はとくに“講師としての姿”が自分のサービスに直結します。綺麗な雰囲気を醸し出す秘訣ひけつは、身体を大きく見せず、無駄がない所作。それがあってこそ、香り立つような品が出るということを、忘れないでいたいですね。

関連記事
「桜の木をアラブに持ち帰りたい」そんなリクエストに一流ホテルのコンシェルジュが取った行動
銀座ママが「LINEを交換しよう」と聞かれたときに必ず使う"スマートな断り文句"
東京随一の"セレブ通り"を走る富裕層が「テスラやレクサス」を選ばないワケ
「お金持ちだからではない」頭のいい子が育つ家庭に共通する"幼児期のある習慣"
「どんな人なのかが一発でわかる」銀座のママが初対面で必ず確認する"身体の部位"