共通認識をすりあわせておかないとトラブルの原因に

LINEのトラブルはその認識の違いにより発生することもあります。たとえば、「途中から参加したので過去の履歴は見られないんですよ」。前述のHさんの言葉です。フェイスブックのメッセンジャーであれば、グループに途中で参加しても過去の履歴を確認することが可能なため、それまでの打ち合わせ内容を把握できます。

しかし、LINEではさかのぼって履歴を閲覧することができないため「話が通じない」や「一人だけついていけない」といったことが発生してしまいます。これは“いったいわない”といったコミュニケーション不足も生んでしまいます。また、「既読はYES」かどうかでも人によってとらえかたは異なります。それで、次のようなケースも起こってしまいます。

Sさんは、同じ部署のUさんにLINEで「明日、9:00に現地集合でいいですか?」と送ったそうです。その後、Uさんから返事がなかったため、Sさんが電話をするとUさんは、「既読が付いているんだから、俺が分かったという意味に決まってるじゃないか」と激昂。納得がいかないSさんは「既読が返事代わりなんていう認識はない」とUさんに詰め寄り険悪な雰囲気になってしまったそうです。

また、これとは逆に、「既読になっていたから、相手に伝わっている、と思っていた」という例もあります。確認のメッセージを送り、返答がなくとも「既読なんだからわかっているだろう」というケースです。これは、相手が上司の場合や、複数のケースでは危険です。

既読は、メッセージを開いたところで付くため、必ずしも読んでいるわけではないからです。特に複数の場合はちゃんと目を通していないことも多いので要注意です。LINEの使い方の共通認識を事前にすりあわせておかないとトラブルの原因になります。

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「わかってくれるだろう」という思い込みがパワハラ、セクハラを生む

LINEはプライベートに限らず、仕事のうえでも使い方を誤ると思わぬトラブルに発展してしまいます。

特に上司は、社内での使い方に気をつけなければなりません。部下との信頼関係を築いていない状態で「あいつもわかってくれているだろう」といった思い込みで一方的にコミュニケーションをとるといき違いが生まれ、まわりから見れば立派なパワハラやセクハラに発展している可能性があるのです。

また、社内のコミュニケーションツールとしてLINEグループなどを利用する場合には「勤務時間外は使わない」「事務連絡以外は使用しない」「個別のやり取りはしない」など一定のルールを決めてから利用するとよいでしょう。

その他、特に力関係がハッキリしてしまう取引先など、社外とのトラブルを回避する手段を会社として講じておくことが望ましいです。「会社の規則として禁止」してしまうことは効果的です。業務用のスマホを支給し、LINEなどのSNSアプリのインストールを一切禁止してしまうことも有効です。