検証は本番環境で試せ

仮説を検証するときにもう一つ大切なのは、「本番環境で検証する」です。

先ほどの例のように、仮説と検証はセットでするべきなのですが、僕はシステムなどの検証は本番環境でやるようにしています。というのも、「テスト環境でうまくいったから本番環境でやってみたら、うまくいかなかった」というケースはよくあるんです。検証は本番環境でしたほうが問題点が早く見つかるので、僕は本番環境で試すようにしています。

最近のサイトはあまりやっていないようですが、僕は2ちゃんねるのときから、一時的にサイトを利用できないようにして本番環境で検証していました。その間、ユーザーはサイトを利用できなくなるのですが、そういうときに運営側は「お客を困らせてはいけない」と考えがちです。

でも、その考え方は間違っていると思います。

問題を本当に解決できるのなら、たとえ一時的にお客さんが困っても、長期的にはそちらのほうが正解というケースは、よくあるんですよね。システムが一時的に使えなくなることがマイナスだという捉え方自体が間違っていると思います。

お客は待たせてもかまわない

実際、メンテナンスを全然しないサイトよりも、システムを止めてでも小まめにメンテナンスをしているサイトのほうが、きちんとしていたりします。メンテナンスやアップグレードを定期的にしていると、ユーザーも「ちゃんとしたサイトなんだ」という評価をしてくれますからね。

西村博之『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)

なので、たとえ一時的にお客さんに不便をかけても、検証は本番環境で試したほうが、その仮説が正しいかどうかの答えも早く出ます。

もちろん、医療従事者が使うサイトなどは人の命に関わるのであてはまりませんが、エンタメ系のサイトが止まったとしても、本当の意味で困る人はいないでしょう。

仮説は、どれだけ多く思いついても、検証をしなければ意味がありません。なので、うまくいきそうな仮説を思いついたら、まず検証するクセをつけると、より精度の高い仮説が立てられるようになります。

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